3.PET検査の特徴
従来の検査機器では発見しにくかった1cm程度のがんが発見できるようになりました。
CTやMRI等の従来の診断機器では、形態の変化によって腫瘍を発見します。
PETでは細胞の活動状態を視覚的にとらえることによってがん細胞を発見することができます。そのためCTやMRIで発見しづらい場合や、腫瘍が良性か悪性かを診断するのにとても有効です。
従来の診断機器による検査とPET検査を組み合わせることにより正診率を高めることができます。 |
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従来の検査は、がんの可能性の高い部位に対してCT等の検査を行なっていましたが、PET検査では1回で全身の検査ができます。そのため予想外の部位でのがん発見、転移の有無なども調べる事ができます。
PET検査では放射性薬剤を投与しますが、その被曝量は胃のバリウム検査と同等です。
放射性物質は2時間後には約半分に減り、尿中からの排泄もあって翌日にはほとんど体内に残りません。また『18F−FDG』はブドウ糖に似た薬剤なので副作用の心配がありません。 |
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PETといえどもミリ単位の小さながん細胞は発見できません。
また、検査薬(18F-FDG)は炎症などのがん以外の病気にも集積します。このためPETで異常があった場合、がんかどうかの確定診断のために、さらに他の検査が必要になることがあります。
下記のようにPET検査にも見つけるのが得意ながんとそうでないがんがあります。
PET検査は万能でないことをご理解ください。 |
PET検査が苦手ながん
早期胃がん、腎がん、尿管がん、膀胱がん、肝細胞がん、胆道がん、白血病など
(これらのがんが原発巣の場合、その診断は難しいのですが、転移・再発に対して有用な場合もあります。) |
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PET検査の得意ながん
頭頚部がん、肺がん、乳がん、食道がん、すい臓がん、結腸がん、直腸がん、、子宮がん、リンパ腫、黒色腫など
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◆がんにおけるPETの有用性
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検査時の状態 |
目的 |
メリット |

健康な方 |
健常時 |
極めて早期の発見 |
簡便な治療
高い完治率 |

がん患者さま |
がんの治療前 |
病期の診断、
病巣の広がりを診断 |
適切な治療、手術 |
治療中 |
治療効果の判定 |
現在の治療方法の適否の判断
(化学療法、温熱療法、放射線治療) |
予後
(治療後) |
再発、転移の早期発見 |
早期発見
早期治療 |
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